性同一性障害の社員の待遇 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
就業規則作成 助成金申請なら
2016年06月30日 [Default]

性同一性障害の社員の待遇

最近よくメディアで話題になっている「性同一性障害」の方の働き方について考えさせられました。

性同一性障害

性同一性障害の男性社員が女性的な名前に変えたことを会社に報告後、望んでいないのに自らの性同一性障害を社内に知られたとして、勤務先の某社の工場を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしたとのことです。

性同一性障害に関して認知度はやっと上がってきているところです。
この方の場合、身体は男性、心は女性であり、職場では男性、私生活では女性で過ごしてきたようです。

当然、心は女性だし、私生活も女性で過ごしているのですから、意識しないうちに職場でも女性的な部分は出てしまうでしょう。
やはりこの方も、同僚から指摘を受けたそうです。
「そんなことはない」で済まなかったのでしょうか・・・。
そこは不確かですが、上司に診断書を提出し、社内での公表や女性としての処遇は望まない旨を申し出たそうです。
ただし、更衣室だけは別室を希望したとのこと。

ところが某社工場は、名簿などを女性名に変更したようです。
更に、更衣室を別室にする代わりに、全従業員に説明するように求めたとのこと。
その後「私は性同一性障害です。治療のためご迷惑がかかります」と全従業員に説明することを余儀なくされ、結果として精神的苦痛からうつ病を発した・・・。

非常に考えさせられます。
皆様は、もし自社に知らないうちに性同一性障害の方がいて、そのことが分かったらどう対応しますか?

私的には某社工場のやり方は、「強引すぎる」と感じました。
名簿は本人が希望していないにもかかわらず、女性名に変更した。
これに関しては、会社側が女性名に変更する利益が何かあるのかと考えてしまいますし、変更する必要があるのであればしっかりした話し合いの場を持たないといけなかったのではと思います。
そして、極めつけは「全従業員に対しての本人からの説明」です。
これはおそらく本人にとってはかなりの負担であったことが容易に想像できます。
説明する必要があるのであれば、最低でも「某社工場から」説明すべきだったと考えます。
どのような場で説明を行ったかは不明ですが、本来であればできるだけ本人に配慮して行うべきだと思います。

ただ、某社工場側も「噂が先行するよりも、同意のもとで情報を開示して理解を得ることが、本人の為になると判断した」と説明しているようです。
某社工場側の気持ちも正直わかります。
噂が先行してしまえば、陰口や嫌がらせ等が起きてかえって本人が苦痛だろう・・・との配慮でしょう。

上記は私の見解であってどうするべきだったかは何とも言えません。
今後、この訴訟の行方を見守っていく必要があると思います。

アメリカを始め諸外国でもこういった問題が実際に起きて、国を巻き込んで騒ぎになっています。
今のうちから考えておく必要性を強く感じました。
皆様もぜひ考える機会にしていただければと存じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加

このページの先頭に戻る