2016年04月08日 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
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2016年04月08日 [Default]
先日、問題になった「労働移動支援助成金」の効果が上がっていないとのことです。
問題となったのは、当ブログでも以前に掲載しましたが、企業が従業員をランク付けし、退職させたい従業員をリストアップし、人材紹介会社のマネジメントを受けたうえで退職させたい従業員を人材紹介会社に登録し、退職後の再就職を支援することで助成金をもらうというものです。不要と認める従業員を退職させる企業と、その企業をサポートする人材紹介会社に大きなメリットがあり、モラルに反する案件が横行していたということで厚生労働省から指導が出ております。

さて、そもそも論でそんな問題のあったこの助成金が一般的にはほとんど活用されていないといいます。
この助成金は「失業なき労働移動」を進めるために安倍政権が力を入れている助成金です。
力を入れている助成金が不正まがいに利用され、本当に必要とする会社や退職者に使われていないとなると大問題です。

調査結果では、2割近い人が約1年経っても再就職せず、再就職した人でも賃金が3割近く下がっているとのことです。
また、再就職できた人の雇用形態は正社員が6割弱、非正社員が2割強、その他不明との状況です。

以上を見ると、通常の会社都合で助成金を使わずに退職して仕事を探している人が、自分自身で再就職先を見つけ、雇用された場合とほとんど同水準ということが言えます。

はっきり言って「意味がない」、「必要がない」助成金となっているのが現状です。
助成金の財源は決まっています。
もう少し、社会情勢を見て、事前検証を入念に行って、何が必要とされているのかを考えていただきたいと強く思います。

今後就職する若い方に将来についてアンケート調査を行った結果、将来に不安を抱えている人が非常に多いこともわかっております。
育児・介護・高齢者問題・待機児童問題等いろいろな問題が山積みになっているのも事実です。

どれか一つと絞るのは現実的ではないので、総合的に検証して、一つ一つ重要な問題を解決できるようにしてもらいたいです。
助成金はそういう大切な事業を行う企業や従業員に対して支給されるべきものです。

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