2017年08月22日 - ビジネスブログ

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2017年08月22日 [Default]
今年の初めに大きな話題となった宅配大手の未払い残業問題。
会社は全従業員の勤務実績過去2年分を調査の上、ほぼ支払いを終えたとのことでした。
総額で数百億円という膨大な金額を支払ったのです。
私は、労働基準監督署からの是正勧告が発端とはいえ、同社の姿勢に一定の評価をしていました。
そして、今後が大事だと考えておりました。

この大手宅配会社は、労働時間短縮の取り組みを行うほか、過度な荷物請負のもとになる配送料の引上げを関係各社に打診したりと一定の改善姿勢をニュースで見ていました。

本当にやる気だな!と思った反面、度々一部の従業員は未払い残業代を実際の額より少なくしかもらえていない等の情報も入ってきておりました。

そんな中、先日この会社の男性社員が加入する社外の労働組合が、未払い残業代の適切な支給と長時間労働の是正を求める団体交渉を会社側に申し入れたのです。

まず、「社内労組」ではなく「社外労組」です。
大手企業なので社内の労働組合もあるはずなのに何故?!
男性社員は社内労組に改善を求めたが、対応が不十分で信頼できなくなったとのことです。
社内労組の構成員は会社の社員です・・・どうしても手ぬるくなってしまいがちなのです・・・。
そこで「社外労組」を頼ったのですから相当ですよね。

団体交渉

そんな男性社員の訴えはこうです。
まず、過去2年分の未払い残業代を支払う、といいながら、この男性社員は上司から圧力を受けたために、14か月分までしか請求できなかったと・・・。
そして、同様の対応を受けた社員が他にもいるということです。

やっぱりか・・・。
何せ、調査期間がとても短いと感じておりました。
そして、調査にあたるのは各支店長等任せです・・・。
いい支店長もいれば、悪い支店長もいるでしょう。
正直ここが一番の問題点だとは思っておりました。
評価と同じです。
上司によって評価基準が変わってしまうことはよくあることです。
上司の見方によって左右されてしまうのは絶対に避けなければいけません。
中立の第三者が必要なのです。

更に、この一連の報道を受け、未払い残業代支給を行っている7月中旬から1か月間の男性社員の時間外労働は、月80時間を超えているとのこと。
長時間労働の是正も進んでいないとのことです。

まだまだこうした社員たちはいると思われます。

会社としては、大々的に未払い残業代の全額支給と、今後の長時間労働改善を謳っているのですから中途半端は許されないでしょう。
しかし、正直そう簡単に長時間労働が無くせるとは私の仕事上も思えません。
色々試行錯誤して少しずつ改善されていけば良いのではと考えます。

ただ、徹底的にやるといったからには未払い残業代はしっかりと清算するべきでしょう。

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