年齢による賃金差をつけるのは会社の裁量 - ビジネスブログ

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2016年08月29日 [Default]

年齢による賃金差をつけるのは会社の裁量

69歳の運転手の男性が、同じ仕事をしているのに年齢が下の運転手より賃金が安いのは違法だと訴えた訴訟の判決がありました。

この男性は、「別の」会社を60歳で定年後に「有期契約の」運転手として働いていました。

ちなみに賃金は60歳未満の運転手と比べて8割程度だったとのことです。

判決は、「企業の裁量の範囲内で、不合理な差別とは言えない」、
また、「定年後に賃金水準が下がるのは日本では一般的」として請求を棄却しました。

会社の裁量

先日、ブログで定年後の再雇用で同一労働での賃金を低くした件の訴訟結果をお知らせしました。
結果は、定年後再雇用で同一労働であれば特段の事情が無い限り賃金格差をつけてはならない、というものでした。

今回の件と似ているようですが、違う判決が出たのは、やはり「別の会社で働いていた(60歳以降に入社)」、「有期契約労働者(正社員とは責任等の度合いが違う)」等が判断基準になったのではないかと思われます。

しかし、国は「同一労働同一賃金」を推し進めようとしているのにどうも釈然としません。
私は正直申し上げて判決は妥当だと思います。
でも国の施策からするとずれているということになるのでしょうか・・・。

そもそも「同一労働同一賃金」がよくわかりません。
そんなものが本当に実現できるのでしょうか??
誰がどのような基準で判断するのでしょうか??
確実に混乱するでしょう・・・。

最低賃金の大幅引き上げや同一労働同一賃金など労働者にとって聞こえのいい政策を実行しようとしていますが、私は甚だ疑問です。
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