2017年12月 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
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2017年12月08日 [Default]
最近「官製春闘」が常態化していますね。
「働き方改革」に基づく国の政策も「お上」のほうでどんどん進められております。
経営者の皆様は現状をどうお思いでしょうか?

私個人的には、すべて「国と業界トップたちが現状を把握せず、勝手に打ち出している方策だ」と感じておりました。
誰が得をするのか?
一番得をするのは「安部さん」じゃないか?と・・・。
すべては一部の人たちだけにメリットがあるだけで、それに伴い多くの犠牲を伴う・・・。
「レガシー」づくりに勤しんでいるのではないかと・・・。

というのは私個人的な印象でした。
確かに、「官製春闘」によって年数パーセントのベースアップが実現すれば、サラリーマンの方はありがたいでしょう。
「働き方改革」も、長時間労働等に苦しんでいる方たちは期待を持っているかもしれません。
「企業に待機児童対策3千億円」というのも、子育て世帯には助かるのかもしれません。

正直、いろいろな方、とりわけ中小企業経営者がどう思っているのかが気になっておりました。

そんな中昨日ハッとした報道が2点ありました。

まずは金属労協議長の発言です。
金属労協とは自動車や産業別労働組合が加盟する組織です。
言ってみれば労働者の味方の組織です。
その議長が次のような発言をしました。
「労働条件は労使が主体的に決める。(政府主導の賃上げは)もういい加減にしないといけない」。

国への反論

ごもっとも!!素晴らしい!!と思いました。
労働者の味方の団体議長が、官製春闘で賃上げに直接口出ししてくる安部さんに疑義を呈したのです。
さらに、今後国が検討している「賃上げする企業への減税」などの政策を以下のように一蹴しました。
「アメとムチの短期的な施策」
「賃上げできる中長期的な政策を出すのが政府の役割」

いや〜素晴らしい!
日産労連出身の方らしいですが、人望がうかがえます。
そのうえで、しっかりと「ベア3千円以上」という統一要求は出しております。
なかなか言えないことを言ってくれて、その中で自身の役割もこなす。
組織の長とはこういう姿勢でないといけません。

もう一つの発言は、日本商工会議所会頭です。
国が待機児童対策に充てる3千億円の負担を企業に要請したところ、経団連が了承した中での発言です。

経団連は「経済界として」という了承を進めようとしていました。
その中で日本商工会議所は、「経済界として」という文言を外すよう求めました。
経団連はよく榊原さんの発言が出てきますが、大企業の代表というイメージです。
対して日本商工会議所は、地域に根差した中小企業の代表というイメージです。
ということで、「3千億円の負担の約6割が中小企業の負担になりかねない」ということを危惧しての求めです。

さらに、こう述べています。
「我々はまだ意見を聞かれていない。経団連の意見が経済界のすべてではない」
明らかに経団連に対する異論であり、勝手に代表を気取って決めるな!という意見だと思います。

拍手!!
中小企業の味方をしてくれる団体がこうして自身の意見を発言することを待っていました!
大企業ばかり考えていたら、日本を支えている中小企業がどんどん追い込まれることになります。
もっともっと存在感を示していただき、中小企業の立場を訴えていただきたいです。

また、「官製春闘」についても次のような発言をされました。
経団連の榊原さんの「首相の期待を踏まえ、前向きな対応を企業に求める」との発言に対し、「中小企業には厳しい」として中小企業には官製春闘に対する呼びかけはしないと明言したのです。

当たり前ですよね。
でも、今までこうした「意見」を言う人がいなかったように思われます。
安部さんと榊原さんで決められてしまったら中小企業は置き去りになります。
中小企業の代表者という立場で今後も意見を発信していただければ、より良い政策が実現すると思うのです。

私はサラリーマン時代、転職を何度か経験しておりますが、すべての企業で社長や直属の上司に対して自分の意見を言ってきました。
従業員がみんな「逆らえば干される」と思って発言しなければ、すべて(間違っていても)上の決定に従うことになります。
間違っていることは「間違っている」と言える勇気が必要ですし、さらに「なぜか?」を問われたときに自分の意見を言う必要があります。
なかなか反論することは難しい。
どの世界でも同じだと思います。
でも、組織に属するみんなが意見を言い合える状況になれば理想だと考えます。

意見

とにかく、今回の団体代表2人の方の発言は、今回は難しいとしても今後につながると思います。
国や経団連としても気を使うことになるでしょう(笑)

金属労協、日本商工会議所の皆様!今後も頑張ってください!
そして、今回は発信できなくてもまだまだ多くの団体が存在します。
下からどんどん意見を突き上げて、より良い政策が実現されるように動いていただけるようお願いします!

2017年12月05日 [Default]
働き方改革では罰則付きの残業時間規制を設ける方向で突き進んでいますね。

現状では36協定を締結、届け出していれば協定した時間を上回らなければ違法となりません。
一般的には、月45時間、年間360時間が通常の企業の上限とされております。
当事務所のお客様もできる限りこの中、というか限度時間いっぱいで協定を結んでいるのが実態です。

しかし、飲食業や建設業、繁忙期のある製造業等はどうしてもこれでは対応できません。
何しろ、協定した時間を上回って残業させたら違法となり、下手すると罰則ですからね・・・。
業種ごとに対応は変わってきますが、一般的に知られているのは「特別条項」をつけることです。

この「特別条項」をつけた36協定届を締結し、届け出した場合は、上限を上回る残業時間を設定することが可能になります。
ただし、繁忙期への対応を想定しているため、1年間で6回までと規制されております。
当事務所のお客様も、やむを得ず「特別条項」をつけて、月80時間まで、年間720時間まで、というような協定を締結しています。

「やむを得ず」というのは、仕事が回らなくなってしまうからです。
当事務所のお客様は中小企業です。
当然、大手企業から指示があれば納期に追われ時間どうこう言ってられません。
売り上げにもかかわってきます。
経営にもかかわってきます。
間に合わなければ大手企業との契約が解除になるかもしれません。
そうなれば会社をたたむことさえ考えられます。
それだけ深刻なのです。

大方の中小企業はそのような状況下に置かれながら、何とか時間外労働を抑えようと必死にもがいていると思われます。

繁忙期

それでは大手企業はどうなのか?
私個人的に、下記の報道にはびっくりしました。

@ 調査した1部上場企業225社中、125社が「過労死ライン」とされる月80時間以上の設定をしている
A 上記@のうち、41社は月100時間以上の協定を締結
B 最長の月間の協定時間は2社の200時間、ほかにも165時間、150時間・・・
C 年間720時間の「働き方改革」基準を超える協定締結企業は49社
D 最も長い年間協定時間は1800時間、ほかにも1200時間、1170時間・・・

いかがでしょうか?
大手企業がこのような状況で協定を結んでいるのです。
大手企業がこのような状況だから国は「罰則付き残業規制」なんてことをいっているのでは・・・と思ってしまいます。
本当にこの上限まで働かせている企業はおそらくないとは思います。
しかし、中小企業としては大手(取引先)がこれだけやるのであれば、指示があればやらざるを得ませんよね。

上記の大手企業の残業時間は少しずつ縮小の方向で進められているようです。

2年後をめどに「罰則付き上限規制」が法制化される可能性が高まっています。
1月100時間未満、年間720時間を上限とする方針です。
ひとまず、何とかここまで抑える方向になるのだとは思います。

しかし、懸念は残ります。
残業を抑えることに伴う企業業績や仕事効率の悪化。
残業を隠したり、過少申告したりする危険性。

ほかにも様々な弊害が出てくる可能性があります。
長時間労働が従業員の心身によくないことは間違いありません。
ただ、あまりに拙速に動いてしまった結果、企業経営に影響が出たのでは元も子もありません。

国には、労使双方の意見(中小企業も含め)を十分に聞いたうえで、最終ジャッジをしてほしいと願っています。
経団連や連合、中小企業同友会・・・腹を割って議論を尽くしていただきたいです。

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